1/43 MG modelのジョーダンヤマハ192を修正して作る

1/43 MG modelのジョーダンヤマハ192を修正して作る

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メタメキットとして発売されていたのはMG modelしか無い

かなり大きくボッテリとしたボディー

ミニチャンプスとMG modelを横から比較

ジョーダン192はTAMEOのキットも無く、スパークも完成品を出していないので、満足出来るミニカーがありません。キットとして発売されていたMG modelのキットをベースに満足行くミニカーを作成する過程を情報として掲載して行きます。何とか、満足出来るミニカーを作成して自身のコレクションに加えたいと思います。

ミニチャンプスのミニカーとMG modelのホワイトメタルのボディーを比較するとかなり大きく、ジョーダンの192のマシンのイメージとはかなり遠い感じがします。192のシーズンはチームとしても最低な成績で1992年のF1世界選手権の最終戦のオーストラリアGPで、ステファノ・モデナが6い入賞で1ポイント獲得したのみでしたが、マシンはとても美しいと思っていますが、TAMEOのキットも無いし、ミニチャンプスも精緻さには今一つだし、京商も商品としての完成度は低いので、自分で作成することにしました。

ミニチャンプスとMG modelを上から比較した画像です。ノーズの太さやリアカウル後端部分の幅広さがとても気になり、かなりグラマーなボディです。

これを一旦シリコンで型取りして、レジンで複製を作って削って行こうと思います。ホワイトメタルを削って取り返しの付かないようなことになっては困るので、やり直しが効く複製で理想のボディ形状にしたいと思います。

シリコンで型を取る

油粘土にホワイトメタルを半分埋める

シリコーン型枠のブロックを積み、油粘土にホワイトメタルを半分位埋めます。空気抜きの爪楊枝を使いました。キャストを注ぎ込むのにストローを使いましたが、これが大失敗でした。

片面にシリコーンを流し込む

粘土に離型材を筆で塗ります。この時にホワイトメタルには塗りません。そしてシリコーンを入れます。この時に硬化剤を4%入れて良くかき混ぜて、ホワイトメタルの部分を先にシリコーンをかけ、薄っすらとシリコーンが乗ったところで全体にシリコーンを入れます。

キャスト投入用のストローは軽くて浮き上がって来ました。良く考えれば当然か?シリコーンが固まってからカッターでキャスト投入用の溝を掘りました。

シリコーン型

シリコーン型が完成。後は、キャストの投入口をカッターで広げて、離型材をスプレーしてキャストを流し込みます。

レジンキャストはかなり早く硬化を始めます。キャストの流入路はかなり広くしておかないとレジンキャストが回り切る前に硬化が始まってしまって、型が取れません。

また、2液を混ぜる時に、紙コップと割りばしを使うと、キャストに水分が混じって、沸騰したように膨れ上がりますので、プラカップ、プラ箸を使ってかき混ぜました。

1/43 レジンキャスト

バリは残っていますが、無事にレジンキャストが完成。これを削って本来の姿にして行きます。まずは、離型剤を洗い落とすのに、お風呂用中性洗剤を付けてタワシでゴシゴシ洗い、その後、ボディを削っても消えないように、サスペンションアームやドライブシャフトの穴をリューターで少し深く掘ります。

BMCタガネでスジボリしてボディーを削ったら、耐熱シリコンで型を取って、ホワイトメタルで本格的に制作開始の予定です。

ノーズをかなり細くして、実車のイメージに近くなって来たか。

ボティーカウルに直接エンジンの冷却穴を明けた前期型。スジボリもシャープに彫れました。

ボディーカウルのエンジン冷却口が少し成形された中期型

エアーインティークの後ろが大きく盛り上がった後期型の3種類を作成。

これで、シェイクダウンバージョンと合わせて4種類作成する予定。

ノーズを細くする前後の比較

ノーズ

ノーズはかなりシャープになった。これで実車のジョーダン192のイメージに近くなったと思っています。左右非対称だったスジボリも修正しました。

フロントウイングの位置を調整

MG nodelのフロントウイングがかなり前にせり出しているので、少し後ろにずらしました。

エッチング用のデータ

エッチング用のデータをIllustratorで作成した。Zモデルから入手出来なくなっているNACAダクトのデータも作成した。

このデータからインレタを作成するのが一番確実ですが、カラーコピーで作成する方法もネットでは紹介されていました。

ただ、自宅にはカラーコピーやレーザープリンタが無いので、コンビニにコピー機を使うとなると、Illustratorから直接出力出来ない。PDFの文章からのプリントアウトは可能との記載でしたが、Illustratorから作成したPDFだとプリントアウト出来ないのか分からない。どうするのがベストか。

デカールの比較

デカール

右からMG model、Sutdio27、京商、ハセガワです。サイドポンツーンの上のブルーもメーカーによってかなり色が違う。

もう少し太いか?

かなり良い線まで来ていると思いますが、もう少し太いかな?

デカールのデータ完成

デカールのデータをIllustratorで作成。CMYKでアウトライン化してあります。作成してくれる業者があるかどうかが問題です。

ネットでF1のミニチュアのデカールの商標権に関する判決もあり、「Marlboro」が敗訴しているようです。

その他にも、ミニチュアカーに付された商標が商標の使用に当らないとされた判決も出ているようです。

ただ、ネット上の情報と、現在作成している物とが完全に合っているとは言えないので、専門の弁理士さんに問い合わせしています。

専門家の弁理士さんに確認したところ、

「F1カーのミニチュアに貼るデカールの場合は通常の商標権とは少々取り扱いが異なりま
す。すなわち、一定の商標については「商標としての機能を発揮しない単なる飾り」と認識されま
す。」とのことですが、やはり1つ1つの商標について商標権の問題が無いか確認して頂きました。

デカールの版

デカールの印にあたって、色別の版を作るか4色分解にするかの判断が必要です。色別の版にすると、色の濃淡でも複数の版が必要になり、版代だけでもかなり高額になってしまいます。4色分解にすればCMYKの4版ですみますが、4色分解の場合、CMYKを細かい点で置いて行き、それぞれのバランスで色を表現するので、境目がゲトゲトになったり、一つの色でも拡大すれば、4つの色が点で存在するのが見えることになります。

美しいデカールにするためには色別の版を作るしかありません。1/43なので、かなり小さいデザインになるので、出来れば色別の版にしたいところです。

仮組み

元々のMG modelからはかなり実車のイメージに近付いたと思います。ドライブシャフトを少し後ろにずらしました。

フロントウイングの作成

フロントウイング

ホワイトメタルとエッチングでフロントウイングを作成。先にサーフェイサーを吹くか迷いましたが、エアブラシで拭けば、裏側や回り込んでいる部分にも塗装出来ると判断して、先に組みました。

フロントウイングをボディーに接着

リアウイングの作成

リアウイング

リアウイングをエポキシ系接着剤で接着

サーフェイサー吹付け

サーフェイサー吹付け

サーフェイサーを吹き付けしました。吹付前には分からなかった凹凸が一杯あります。丁寧に修正して再度サーフェイサーを吹き付けします。

少し滑らかになりました

サーフェイサー吹付け。少し滑らかになりました

ホワイトサーフェイサーを吹いて下地完了

ホワイトサーフェイサーを吹いて下地が完了しました。かなり表面が滑らかになりました。美しいフォルムが再現されているようで、完成が楽しみです。

インディーブルーを塗装

インディスーブルーを塗装

Mr.COLORの65番、インディーブルーを塗装。かなりらしくなって来た。ちょっと塗料が濃かったか?

塗料を薄めて塗り直し

最初の塗装が砂吹きのようにブツブツになったので、一度塗装を落として、塗料を薄めて塗り直し。下地を1000番のヤスリで磨いて、表面を整えてから塗装しました。見事な表面の艶。

ボディーカラーを薄くして、アイボリーの塗分け

エアーインティークの後ろを少し盛って、ホワイト部分をホワイトにセールカラーを少し足して調色。ボディカラーを当初のインディーブルーから、スカイブルー3:インディーブルー2に調色して塗分けしました。マスキングで色のにじみが僅かにありますが、これは後で修正。

当初、ホワイトの部分はデカールで色を分ける予定にしていましたが、デカールの業者によれば、色数毎に版を作る必要があるとのことでしたので、デカールの作成費用が高くなるのと、出走したグランプリによってエアー抜きの穴の形状が違うので、デカールは止めました。

デカールの入稿完了

デカールの入稿完了しました。カラー分解と色別に版を作る特色があります。

カラー分解はプリンターで印刷するようにCMYKで色を作るもので、点の集合体で色を作るので、近くで見ると色ムラのように見えるそうです。

色別の版を作る場合は、DICの色番の指定が必要で、色の数だけ版が必要なので、値段も高くなりますが、色ムラにはならず綺麗に色の再現が出来ます。ただ、DICの色には全ての色が有るわけでは無いので、多少色目の妥協は必要です。カラー分解なら、CMYKで様々な色が再現できるので、メリット、デメリットがあります。

今回の依頼は、色別の版を作る方法で依頼しました。

線幅は0.07mm以上が必要で、何ヵ所かデータを修正しました。また、データの外側に透明なニスを指定しないといけないので、そのデータも追加しました。データとデータの間隔が狭く2mm以下だとニスが繋がってしまうと言うことも言われましたが、そこは切り離せば大丈夫なので、そのまま進めることにしました。

デカールを貼り付け

デカールを貼るとそれなりにはなりますが、ノーズの傾斜やインダクションポッドの後ろの形状などまだ修正が必要に感じます。

ホイール

クリアー塗装

バックミラーの作成

ミラーに0.3mmの真鍮丸棒を曲げて差し込んで、レッドを塗装。

バックミラーにkyshoのデカール貼り付け

ホイールとステアリング

ホイールとステアリング。ステアリングはもう少し形を整えないといけない。

タイヤロゴを塗装

Goodyearのタイヤロゴを塗装しました。塗装の加減が難しい。

コックピットの作成

もう一度原型を作り直す

MG modelのJordan192とTAMEOのJordan191を比べると、MG modelがかなり大きい。シリコン型で0.5%縮んで、レジンキャストで1%縮んで、再度原型を作り直すので、ほぼ良い大きさになるか?。

様々なグランプリ仕様を作成するために複製を作ると、原型がかなりの精度で作成されていないと、複製の修正作業がかなり大変で、時間が掛かり過ぎるのと、レジンキャストに気泡が入っていて、スジボリがガタガタになるので、真空脱泡で気泡の無い複製を作りたいと思います。

ネットで色々調べて見ると、気泡が入る原因は、2液を掻き混ぜる時に激しく混ぜ過ぎて空気が混入するのと、レジンが古いことが原因らしいので、とりあえず、真空脱泡は行わず、新鮮なレジンで複製してみようと思います。

もう少しで完成

残りはブレーキランプのみ

1/43ジョーダン192
1/43jordan192
1/43ジョーダン192

Jordan192ハンガリーグランプリバージョンほぼ完成。

ジョーダン192

南アフリカグランプリバージョンほとんど完成。

MG modelの原型と、ミニチャンプスと一緒に撮影。MG modelの原型はかなりボリューミーです。ミニチャンプスと並べてみると、ミニチャンプスが若干小さい。

マスターモデルの作成

真空脱泡できれいなレジンキャストを作るためのマスターモデルを作りました。

※ここで作成しているものは、あくまで個人で楽しむ目的であり、一切販売はいたしません。この製品は自分自身のために作っているだけで販売の意図は全くありません。

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